アニメノマンガノムサシノ

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アニマンメシノミ #1 吉祥寺編①

クリエイターの創作意欲をかき立てるのはオイシイ食事とウマイ酒(ノンアル含む)。アイデアを生む打合せは落ち着く喫茶。このコーナーでは、武蔵野市で活動するクリエイターが自らお薦めする打合せ、ランチ、ディナー、そして夜食のお店を紹介します。

■ KITCHEN きらきら星

記念すべき最初の店舗は、吉祥寺は末広通りにある「KITCHEN きらきら星」です。一部で圧倒的な支持を集めるこのお店。もともとは「スイジガイ カフェ」という名前で営業していましたが、入居するビルの改装に合わせてリニューアルし、現在の店名になっています。
基本的にはイタリアン。入店すると、まず目に入るのが壁際にディスプレイされた三線、チェロ、バイオリンケース。おしゃれな雰囲気にまず気持ちが軽く高まります。

お店の雰囲気だけではなく、お料理もオシャレ。セットを注文すると、まず大きなサラダが提供され、メインも小ぶりに見えるお皿ながら、実はちゃんとしたボリューム。体力も頭脳も酷使するクリエイターには嬉しい栄養面とビジュアル面を両立したお料理をいただけます。

人気のメニューは豊富なパスタ類ですが、クリエイターに圧倒的な人気を誇るのは「ポークジンジャー」。つまり生姜焼きです。他にガパオライスも人気です。

セットではドリンクも、豊富なメニューからいただけますが、記者のお薦めは「チャイ」。チャイとは、インド式の甘く煮出した紅茶です。
もちろん、お酒を楽しみながら、アヒージョやコンフィなどの肉料理をいただくディナースタイルもOKです。こうした豊富なお料理を、リーズナブルなお値段で楽しめる「きらきら星」さん。テイクアウトにも対応している点は、クリエイターにはさらに嬉しい。多くの人がお薦めするのもうなずける一店です。

【KITCHEN きらきら星】
営業時間:定休日 水曜日 
月・火・木 11:30〜16:00 
金・土・日 11:30〜22:00
( 2022年11月現在)
住所:東京都武蔵野市吉祥寺南町4-3-13 井の頭サマリアマンション 1F


■柗 亭

二店舗目は、アニメ『SHIROBAKO』で一躍有名になった「柗亭(まつてい)」です。吉祥寺駅から線路沿いに東へ少し歩き、五日市街道と中央線の線路が交差するあたりに、このお店があります。『SHIROBAKO』では、坂木しずかがバイトをしているという設定でした。
「柗亭」は、1987年11月のオープン。当初はいわゆる居酒屋でしたが、1993年ごろから、定食と配達のお弁当がはじまり、現在のスタイルとなりました。

定食はもちろん人気ですが、居酒屋としての実力も十分。記者のお薦めはあん肝とぎんなん。酒の肴には欠かせないメニューが充実しています。他に人気があるのはごま和え。一般的な家庭料理のごま和えとは違い、ごまをペースト状になるまですり下ろしたプロ仕様のごま和えです。
そんな柗亭の名物は、現在は『SHIROBAKO』で有名となったチキンカツ定食や唐揚げ、鶏豆腐です。ただし、記者のお薦めとして、一度は食べて欲しいのが魚の煮付け。金目鯛や銀だらなど、甘めの味付けの煮付けは、定番中の定番でありながら、案外食べられるお店が少なくなっています。ちなみに、鶏豆腐は単品料理ですが、少しの追加料金で定食にすることも可能です。

さて、アニメノマンガノムサシノとしては、『SHIROBAKO』との関係が気になるところ。実は、『SHIROBAKO』の水島努監督は、以前から柗亭を知っていたそうです。そして、2014年の1月に、アニメのスタッフが柗亭を貸し切りにして、10人以上が集まったとのこと。その後、作品に柗亭を登場させたいという申し入れがあり、快く受け入れた、という経緯だと、店長は教えてくれました。

その後は、ファンの方が持ってきたグッズやポスターなどが徐々に貼られていきます。
その始まりは店長の娘さん。実家の店が取り上げられたから、記念だからと一枚のポスターを貼ったことで、それを見たファンの方が、いろいろなものをどんどんと持ってきて、「飾ってください」となったのです。
放送から2年くらいは、もはや対応しきれないほどの盛況でした。しかし、ブームというものは過ぎ去るもの、多くのこうしたケースでは、一時盛り上がったブームも一気に過ぎ去ってしまいました。しかし、柗亭では、そこから現在にいたるまで、途切れることなく「巡礼」のお客さんが訪れています。記者がうかがった日も、外国からのお客さんが、ブログに紹介されていた料理の写真を店長に見せて「これをください」と注文していました。その料理はあん肝だったのですが「外国の人にあん肝は大丈夫なのか」と心配してしまいました。しかし結果は杞憂。そのお客さんに声を掛けてみたのですが、「オイシイ」とのお答えをいただきました。独特の日本の居酒屋文化を体験してもらえたようです。

今でも、週末は『SHIROBAKO』ファンの予約で埋まってしまう柗亭。『SHIROBAKO』をきっかけに、常連さんになった方も多いといいます。映画版が公開された時は、緊急事態宣言があったりして苦労がありましたが、他の店舗と同様に困窮する柗亭を、救ってくれたのがアニメファンでした。
『SHIROBAKO』との出会いで、地域に改めて定着した柗亭。問題が起こることもある「聖地巡礼」ムーブメントの中で、大きな成功例となったお店です。
ただ、初期のブームの際には、お向かいのマンションの階段に勝手に上がって写真を撮ったファンがいたりして、問題がなかったわけではありません。せっかくのマンガやアニメと地域とのエンゲージが、一部の無作法なファンの行為で妨げられるのはいけません。柗亭は、そうした事例も、我々に教えてくれる貴重なお店となっています。

実は付け替えられて日の浅い看板。しかし「アニメと違う」ようになっては困るため、当分の間このデザインは変えられなくなってしまったということです

ちなみに、配達のお弁当は大量の注文でも受け付けられますが、量が多い場合は3日以上前の注文なら受け付けられるとのこと。これをお読みの武蔵野市内・近隣の方は、一度試してみては如何でしょうか。

【柗亭】
営業時間:18:30~22:30(日定休)
※営業時間に間違いがありました。お詫びして訂正致します。
住所:東京都武蔵野市吉祥寺南町5丁目1−8
電話番号:0422-48-4681