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浦崎宣光制作本部長に聞くスタジオディーンの作品たち

新しい技術とノウハウのつまった『地獄少女』『ヘタリア』

——続きまして2005年の『地獄少女』です。これはスタジオディーンが原作にも関わっている作品ですね。

浦崎:『地獄少女』は、アニメファンだけではなく、一般の視聴者を含めた広い層に観ていただいた印象です。社会人の方が、深夜に仕事のうっぷん晴らしのために観てくれたんじゃないかと思います(笑)

——この作品の原案は、今回のイベントにもご登壇いただくわたなべひろしさん。3期では監督もされました。

浦崎:まず最初に、原案のわたなべひろしさんが描いた落書き(主人公である閻魔あいの元となるキャラの顔)と「いっぺん死んでみる」という台詞だけがあって、そこからどんどんと肉付けがされていった、と聞いています。わたなべさんのアイデア勝ちの作品ですね。

このころには、デジタル化が進んで、ペイント・撮影以降の工程はデジタルで作成するようになっています。2000年からデジタル化が始まって「あと5年もしたら全ての作品のペイント以降の工程がデジタルに置き換わるのでは」と言われていましたが、1年を要しなかったです。あっという間にほぼ全ての作品がデジタル化していました。この『地獄少女』の閻魔あいの着物の模様が動いているという表現もデジタルならではの表現のひとつです。

——『ヘタリア』シリーズからは、2013年の『ヘタリア The Beautiful World』を上映します。

浦崎:国の擬人化ということで、世界の情勢に左右される作品です。原作のエピソードの選抜にとても気を遣いました。映像まで出来ていたのにお蔵入りになってしまったエピソードもあります(笑)

原作が人気作で、スタッフにもファンが多く、みんな率先して参加してくれました。キャスト陣に関しても、作品に思い入れの強い方々からの提案も大いに取り入れてテンポ感のいい作品になったと思います。

それから、この作品は「WEBアニメ」というものの、初期の作品に分類されるのではないでしょうか。スタジオディーンとしては初めてのWEBアニメでした。

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