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アニメノマンガノムサシノ2022 特別座談会 「アニメ・マンガの街武蔵野市のポテンシャルと課題」リポート

武蔵野市におけるコンテンツ振興の新たな挑戦、すなわち「アニメノ マンガノムサシノ」のプレス発表会が、さる11月1日、吉祥寺エクセルホテル東急で行われました。
当日、プレス発表の会場には、市内の関係者やプレスが続々と結集。本プロジェクトのプロデューサーを担う渡辺和哉からの企画説明を経て、マンガ家・イラストレーターの江口寿史氏、武蔵野市の松下玲子市長、武蔵野商工会議所会頭・高橋勇、一般社団法人武蔵野観光機構理事長・稲垣英夫の四者による「アニメ・マンガの街 武蔵野市のポテンシャルと課題」と題した記念すべきトークセッションが実施されました。今回は、この模様を紹介します。

左から、高橋勇武蔵野商工会議所会頭、江口寿史先生、松下玲子武蔵野市長、稲垣英夫武蔵野観光機構理事長

江口寿史の描くキービジュアルは鋭意作成中

——では、概要説明でありましたがキービジュアルを江口先生が制作して頂くということですが、どんなイラストになりそうでしょうか。

江口:そうですね、あのなんだろ……色々ありまして。アニメーターみたいな女性が吉祥寺の駅前を歩いている絵を描いてくれといわれて。それは、僕の中ではちょっとイメージが(笑)アニメとマンガを打ち出したいにしても直接的なのはあんまり好きじゃないんで、それはやめさせてくれ、と。みんなが来たくなるような武蔵野市の絵を僕から発想させてくれということで、まだ下書きができていないんですけど。まあ、大丈夫だと思います。

——なんとなくのイメージは

江口:マンガやアニメを打ち出すにしても、街にキャラクターの銅像を建てるとかそういうのはダサいんですよ(笑)そういうことじゃないんです。例えば、マンガとアニメが世界に冠たる文化というのだったら、武蔵野市にマンガとアニメだけの図書館をつくるとか、ミュージアムをつくるとかそういうこと。でね、そのミュージアムもいかにもアニメ御殿みたいにするんじゃなくて、カッコイイ渋い建物にしてね。そういうことしたら、みんな来ますよ。そういう図書館、たぶん日本だと熊本県の合志市にはあるけれど都内にはないので、そういうので頑張って欲しいと思います。

武蔵野市にふさわしいマンガとアニメの取り上げ方について議論を交わす江口(左)、松下(右)。マンガとアニメの違いについても論じられた

——市長、なにかアイデアが出ていますが

松下:はい、只今アイデアを頂きました。

江口:これは僕からのお願いですけどダサくしないで下さい。

松下:わかります。カッコイイものがいいですよね。ちょっと昔だと銅像とかキャラクターを駅前に置いてね。そういう時代もあったと思うけど、これからは1個のキャラクターをつくるんじゃなくて、マンガやアニメも多様性があるので図書館とかあったら素敵ですよね。いろいろな作品に触れたりとかできるし。私はマンガやアニメの地位をもっと向上させたいと思っているんです。なんとなく小説が上でマンガがしたみたいな時代がけっこうあったかなと。

江口:だからどっちが上ということはなくて、まったく別の表現。小説も演劇もみんな素晴らしいけど、マンガとアニメも……。いや、マンガとアニメもまったく別の表現なんですけど、そこも理解してリップサービスだけじゃなくやって欲しいですね。

松下:私も、家族が『あしたのジョー』の大ファンで(台詞を)ソラでいえるくらいに観ているのですが、マンガとアニメで違うんですよね。それを何度も解説されているんです。そういう風に違う文化を楽しみ、リスペクトしつつ、想いを共有できる場があれば可能性が広がるかなと思っています。

※あしたのジョー:1967年に連載が開始されたボクシングマンガ。原作は高森朝雄(梶原一騎)、作画はちばてつや。魅力的なキャラクターとシリアスなストーリーで社会現象となる。アニメ版は1970年から放送を開始。こちらも最高視聴率29.2%(第一作)を記録する大ヒットとなる。アニメ・実写映画化もされており、2020年代に入っても広告等に使用されるなど人気は健在。

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