クリエイターインタビュー 第1回 前編 株式会社タツノコプロ 代表 取締役社長 伊藤響
1962年に吉田竜夫らによって設立されたタツノコプロの強みは、原作ものを扱うのではなく、自社で立ち上げた企画のアニメ化をメインとしてきたことです。これが同社の作品のクオリティを格段とアップさせる理由ともなっています。
その長い歴史の中で、誰もが子供時代の思い出と共に語る作品が多く存在します。『マッハGoGoGo』『科学忍者隊ガッチャマン』『昆虫物語みなしごハッチ』『ハクション大魔王』『新造人間キャシャーン』、そして『ヤッターマン』を始めとした『タイムボカンシリーズ』など。いずれも「タツノコプロといえば……」と問われた時にタイトルが思い浮かぶ作品です。
そんなタツノコ作品の根底にあるタツノコイズムとはなにか。
「重要なのはクオリティを大切にすること。そして、色々なことに愚直に向き合うことだと考えています」
アニメーションの作業には終わりというものはない。よりよくしようと思えば、作業は永遠に続いてしまう。しかし、商業作品である以上、映画なら公開日、テレビなら放送日が決まっています。
「その制限の中で、どうやってベストを尽くすか。その想いが熱気となって多くの作品をつくりあげてきたのだと思っています」
そんな会社をゼロから築いた創業者・吉田竜夫は「やっぱり、どの人に聞いてもすごい」人物だと伊藤さんは語ります。
©タツノコプロ