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クリエイターインタビュー 第3回 前編 株式会社スタジオディーン 代表取締役 池田愼一郎

柔軟な働き方ができる環境の重要性

⸺しかし、手狭になってきているというのは課題ですね。吉祥寺はなんだかんだいって家賃も地価も高いですし。

池田:実際そうなんですが、ただ、制作環境と技術の変化によって、多少の幅は出てきました。デジタル作画に関しては、極端なことを言ってしまえば充分な性能のPCがあれば家でも仕事ができる。新型コロナウイルス感染症の流行から始まったテレワーク導入の動きと相性が良いのですね。そうすると、もう少し社屋を広くしなければならないのは確実としても、テレワークなどを活用することで「広くしすぎる必要はない」のかもしれません。

⸺近年では職住近接(自宅と勤務先の距離が近いこと)の重要性が注目されています。勤務時間が不安定になりやすいアニメ業界としては、気になるところですね。

池田:そういう意味でも、吉祥寺の会社というのは、なかなか有利だったんですね。先ほどもお話ししましたが、社員はこの「場所」で勤務していることにプライドがある。だから、この場所にいるというのは社員の管理とケアには重要だった。自転車通勤が多いということを加えて考えれば、吉祥寺の駅から多少離れた所なら、ある程度安い賃貸住居もあるので総合的には職住近接は達成しやすい環境といえるでしょう。

それと重要なのは、テレワークが導入されても「いつでも会社に来て集まることができる」環境を整えていることです。今はフリーアドレス(オフィスに固定の席を作らず、ノ
ートパソコンなどを使って自分の好きな席で勤務する)などのスタイルもあるし、柔軟に対応していきたいです。

その一環というべきか、弊社では定期的に社員バーベキューを行っているんですね。以前は夜にみんな集まって、というスタイルだったのですが、コロナ禍の時、昼間に変えました。で、これを6時間くらいの長時間やることにした。そうすると、各自来たい時間に、入れ替わり立ち替わりバラバラにやってくるんですね。このスタイル、非常に社員の評判がいいんです。そういうことが可能な、吉祥寺という場所、スタジオディーンの社屋に、多くの社員が愛着を持っている。これは良いことだなあと思います。

後編に続く

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